• 出会いたい!いい芝居♥いい友だち♥いい人生♥

これからの例会

 長谷川等伯は。能登の七尾に生まれた。戦国時代の後半である。染物屋を営みつつ絵仏師として活躍していた彼は、京の都へとのぼり、やがて「等伯」と号し、都の名利に豪華絢爛な天井画や襖絵を遺していく。当時の画壇を牛耳っていた狩野派と争い、「天下の絵師」として名を馳せていく。そして、国宝「松林図」が生まれる。等伯は何故「松林図」を描いたのか。その謎に迫る物語。狩野派との闘いに人生の全てを注ぎ込んだ故に、犠牲にしてしまった大切な何かがあるのではないだろうか。人生にはもう一つの幸福の物差しがあること。それを知った男の物語である。

昭和十三年。戦争の足音が近づいてくる頃。歴史学者山崎久彌は、かつての藩の殿様から金はいくらでも出すからと藩史の編纂を頼まれる。好きな勉強ができると大学を辞め、叔父が進める結婚にも踏み切った。新妻は甘い生活を夢見ていたが、夫が全然構ってくれず子供も産まれない。欲求不満が募りノイローゼになり、夫が書斎から降りてこないのは二階に女を囲っているせいだと思い詰める…

吹き溜まりのような地下の安宿で、今日も一悶着が始まる。饅頭売りのクワシニャーは、病身の妻アンナを顧みない錠前屋のクレーシチを責め、男爵と呼ばれる男は、「悲恋物語」に浸るナースチャをからかう。宿の主人コストゥイリョフが女房のワシリーサを探しに来て、その情夫であるコソ泥のペーペルと衝突する。イカサマ賭博師のサーチンはいう「どうしてあの野郎をばらしちまわねえんだ?」。アルコール中毒の訳者、帽子屋、荷揚げ人足や娼婦など、行き場のない人間たちがうごめくその宿に、巡礼のルカがワシリーサの妹ナターシャに案内されて来る。慰めや希望を説くルカの言葉は、やがて波紋のように彼らの心に拡がっていくが… モスクワ・ユーゴザーバド劇場、故ベリャコーヴィッチ演出。鉄パイプの2段ベッドが並ぶシンプルな舞台装置、群舞のような役者の動き。光と影を駆使する照明とダイナミックな音楽。客演のロシアの俳優2人が舞台を沸かせる。熱くエネルギッシュで美しい舞台。